「50代で宅建を取得するのは無理だろう」と考えていませんか?
年齢や仕事、家庭の事情で勉強時間が確保できないと悩む方も多いでしょう。
いろんな理由を探して諦めてしまうと、貴重なチャンスを逃してしまいます。
しかし、50代でも宅建に合格できる方法はあります。
本記事では、50代で宅建を取得した筆者が、50代ならではの心構えや勉強法を紹介し、筆者の経験談もお届けします。
この記事が、あなたの新たな一歩を後押しする力になれば幸いです。
この記事を書いた人
- 大学卒業後、都市計画コンサルタントへ就職
- 2年後、地方公務員(県庁)建築職へ転職
- 26年間勤めた公務員を51歳のときに早期退職し、1年間はフリーランスとして活動。その時に宅建を取得。
- 現在は民間企業へ転職。リモートワークを取り入れながら、自分の時間を確保し副業にも挑戦中
この記事を読んでわかること
- 50代が宅建を取得するメリット
- 50代が宅建に合格するために必要なこと
- 50代におすすめの宅建勉強法
50代が宅建を取得するメリット
50代で宅建を取得することには、多くのメリットがあります。
長年の社会人経験を活かしつつ、新たなスキルを身につけることで、人生の可能性が大きく広がるのは間違いないでしょう。
その中でも大きなメリットを3つ紹介します。
- 自己肯定感の向上
- 転職や副業の新たなチャンス
- 収入の増加
それぞれ詳しく見ていきましょう。
自己肯定感の向上
宅建を取得すると自己肯定感が高まります。
難関資格と言われている宅建に合格することで、自分の能力と可能性を再確認できますし、何より、50代という年齢で国家資格を取得することは、大きな自信につながります。
職場や家庭からの信頼や評価も高まるでしょう。
宅建に限らず、50代からの学びが人生の新たなステージを切り開く可能性を秘めています。
転職や副業の新たなチャンス
宅建を取得することで、転職や副業の新たな可能性が広がります。
宅建資格は不動産業界だけではなく、金融機関や建設会社でも重宝されています。
長年働いてきた社会経験と宅建の知識をプラスすると、キャリアチェンジの選択肢が大幅に増えるでしょう。
副業を考えている方にもおすすめです。
例えば、Webライターをやる場合に不動産特化ライターとして不動産売買や賃貸仲介、不動産投資などの記事を執筆する機会も得られるでしょう。
収入のアップに期待できる
今の仕事に宅建の知識を活かせると、より専門的な業務を任されるようになり、昇給や昇進のチャンスが増えるでしょう。
公務員の場合、直接的な手当はありませんが、民間企業の場合、資格手当がつく会社も多いようです。
転職を考えている方には、宅建資格が強力な武器となり高収入の仕事に就ける可能性もあります。
副業の場合、不動産特化ライターとして活躍すると新たな収入源を確保できます。
さらに、不動産投資をする場合にも宅建の知識は大いに役立つでしょう。
50代の宅建の合格率
宅建資格は難関と言われていますが、50代でも十分に合格のチャンスがあります。
宅建全体の合格率は令和5年度の試験で17.2%でした。この数字は例年とほぼ同じで、概ね17%前後で推移しています。
では、50代の方々はどうでしょうか。
資格試験予備学校のアガルートアカデミーが実施したアンケート結果によると、令和5年度試験の50代合格者は全体の15.5%を占めています。
20代(26.8%)、30代(25.4%)、40代(26.8%)と比べると確かに低いですが、遜色のない結果と言えるのではないでしょうか。
しっかりと準備すれば、十分に合格可能な試験です。
50代が宅建に合格するために必要なこと
50代が合格するために必要なこと。
僕が経験してみてわかったことは、次のことです。
- 50代という年齢を自覚する
- 勉強時間を確保する(当たり前ですが)
- モチベーションの維持
- 家族や周囲の協力
50代という年齢を自覚する
50代で宅建試験に挑戦する際、まず自分の年齢を正しく認識することから始めましょう。
私も50代で宅建に挑戦しましたが、勉強を始めたときは若い頃と同じようにできると思っていました。
しかし、実際は、
- 記憶力が悪くなっている(もっと良かったはず)
- 集中力も続かない
- 覚えたことをすぐに忘れる
の連続でした。
大学受験や高校受験から30年以上経った今、「あの頃と同じように勉強できる」と思ってはいけません。
- 記憶力が悪い
- すぐに気が散る
- すぐに忘れる
- 老眼も入ってきて小さい字は読めない
まず、これらを受け入れることから始めましょう。
年齢を言い訳にせず、若い頃と同じと思い込まず、「何事にも近道はない」という気持ちでコツコツ勉強を続けることが大切です。
勉強時間を確保する
50代で宅建に挑戦する際、勉強時間の確保が最も重要です。
仕事や家庭との両立で時間が取りにくいなか、「効率よく勉強したい」という思いから、勉強時間を減らして「勉強している感じ」になってしまう可能性があります。
これは「効率的」ではなく、単に「勉強時間が足りていない」状態になりがちです。
大切なのは「勉強には相応の時間が必要」という当たり前のことを認識し、コツコツと勉強することです。
宅建合格には、一般的に300〜400時間の勉強時間が必要だと言われていますが、これは人それぞれなので気にする必要はありません。
不動産や法律の実務経験がある方ならすでに多くの知識をもっているので、勉強時間は少なくて済むでしょう。
合格するために必要なことは、
- 時間をかけて勉強すること
- 時間がない日でも、少しは勉強すること
だと思います。
モチベーションの維持
勉強していく中で、モチベーションが続かなくなることがあります。
「別に宅建取らなくても良いかな」「来年でもいいか」と頭をよぎることもあるでしょう。
でも、そんな考えが合格を遠ざけるのです。
大学受験や高校受験のとき、「来年でいいか」なんて一度も考えたことがなかったですよね。最大限努力したはずです。宅建も同じです。
日々の小さな努力を積み重ねていけば、必ず合格への道は開けるでしょう。
家族や周囲の協力
勉強時間を確保しようとすれば、家族のお出かけや仕事の時間を制限せざるを得ない場面が出てきます。
家族旅行を取りやめたり、残業を減らしたりすることもあるでしょう。
しかし、家族や職場に迷惑をかけているという意識が、「最短で合格しなければ」という強い意志につながります。
家族や周囲の人と目標を共有し、協力を得ながら勉強を進めてみてください。
思いがけない応援が得られるはずです。
その思いに応えるために、最短での合格を目指しましょう!
50代におすすめの宅建勉強法
宅建試験の勉強法には、独学、予備校、通信講座の3つがあります。
独学でも合格を狙える試験ですが、50代にとっては最短で確実に合格することが大切です。
なぜなら、この試験は年に1度しかなく、もし失敗すると再チャレンジまでにさらに1年もの時間がかかってしまいます。50代にとって、この1年のタイムロスは大きいですよね。
独学で挑戦した僕がおすすめするのは、通信講座と予備校です。
独学だとどうしても甘えが出てしまい、勉強が停滞することがあります。
通信講座や予備校を活用することで、勉強せざるを得ない環境に身を置くことができ、独学よりもはるかに合格に近づきます。
ご自身のスケジュールやサポート体制、費用など考慮して最適な方法を選びましょう。
まずは、それぞれの方法を見ていきましょう
通信講座
通信講座は独学での勉強に少しのサポートが加わることで、合格への道がグッと近づく勉強法です。
予備校と通信講座は似ている部分もありますが、学習環境やサポート体制に違いがあります。
メリット
- 通学時間がいらないので、仕事や家事の合間を使って効率的に勉強できます。
- 決まった時間に通う必要がなく、自分のペースで好きな時間に勉強できます。忙しい50代にはピッタリですね。
- テキストや問題集を自分で選ぶ必要がありません。専門家が作成した教材で効率よく勉強できます。
デメリット
- 通信講座には費用がかかります。しかし、教室の賃料や講師の人件費がかからないので、予備校に比べて安価です。
- 自分で学習スケジュールを管理する必要があります。
予備校
メリット
- ライブで受講する講義は効果的です。他の受講生の顔が見えるので集中力も高まります。
- 決まった時間に受講するので、学習計画を立てやすく、意思の弱い人にも向いています。
- 勉強仲間ができると、モチベーションを保ちやすくなります。
- 講師に直接質問しやすく、疑問点をその場で解決できます。
- テキストや問題集を自分で選ぶ必要がありません。専門家が作成した教材で効率よく勉強できます。
デメリット
- 仕事が忙しいと、決まった時間に受講できない場合があり、欠席が続くと挫折しやすくなります
- 受講料が高いので、費用面での負担が大きくなるでしょう。
独学
メリット
- テキスト代程度の最小限の費用で済みます。
- 自分の好きな時間に勉強できるため、仕事や家庭との両立がしやすいです。
デメリット
- 知識が身に付いているかどうかの判断が難しいです。
- 重要ポイントがわかりにくいので、学習の効率が悪くなる可能性があります。出題されにくい問題に時間をかけてしまうこともあるでしょう。
- 挫折しやすいため、強い意思が必要です。
50代で宅建に合格した筆者の体験談
僕は51歳で公務員を早期退職し、フリーランスとして活動していたときに宅建資格を取得しました。
挑戦のきっかけ
僕が宅建に挑戦したのは、公務員を早期退職したあとWebライターとしての新たなキャリアに興味があったからです。
特化ライターのほうが報酬が高いと聞き、不動産特化ライターを目指すことにしました。
そのためには、宅建が大きな武器になると考えたのです。
勉強期間
僕の勉強期間は約5ヶ月です。
令和5年10月15日の試験に向けて、テキストと問題集を買ったのが5月のゴールデンウィーク明けでした。
しかし、テキストと問題集を放置する日々が続き、最初の2か月はほとんど勉強できていません。
少しやる気になったのが8月ごろ、「ヤバい」と焦って本気になったのが9月になってからでした。
勉強時間は5月~7月は週4時間程度、8月になってから週6時間。9月からは週15時間と徐々に増えていきました。
試験が近づくにつれて勉強時間を増やし、試験直前は「宅建脳」になるくらい試験勉強に集中していました。
僕の勉強法(独学)
僕の勉強法をご紹介します。
「インプット(暗記)して、少し時間をあけてからアウトプット(思い出す)する」の繰り返しです。
インプット(テキストを暗記するとき)
声に出して読みます。
淡々と読むのではなく、誰かに教えてあげるイメージで、時には一人突っ込みを入れながら覚えました。
目で見て、声に出して、耳で聞いて記憶する方法が僕に合っているようです。
書く必要がないので、手が疲れず、効率よく進められます。
ちなみに僕が使っていたテキストは「らくらく宅建塾(宅建学院)」です。
「独学者のバイブル」と言われているほどのテキストで、「苦労して受かりたい方にはおすすめできません。ラクに受かりたい方だけどうぞ」という言葉に惹かれました。納得の一冊です。
どうしても覚えられない場合
一問一答式にノートにまとめ、重点的に暗記しました。
50代になると一度で覚えるのがむずかしくなります。
粘り強く繰り返し勉強することが大切だと実感しました。
アウトプット(思い出すとき)
テキストで暗記したことが、確実に覚えられているかを確認するために、僕は次のような方法を使っていました。
- テキストを読んでから30分ほど時間をおく
- 覚えた内容を声に出して言ってみる(トイレやお風呂でも実践)
- 思い出せないことがあれば、思い出すまで考える
- どうしても思い出せない場合は、テキストを見直したり、一問一答式のノートに書き込んだりする
インプットとアウトプットを繰り返すことで、記憶に定着させていました。
独学で失敗したこと
僕がやらかした致命的な失敗は「法令改正」を全く勉強しなかったことです。
過去問重視で勉強していたので、最新の法令改正が出てこなかったのです。当たり前と言えば当たり前ですね。
試験当日、会場で予備校が配っていた「最終チェック」の冊子をもらって愕然としました。
「超重要 法改正点」といったタイトルで6頁にわたって法令改正のポイントが掲載されていて、変な汗が出てきたことは忘れられません。
試験が始まるまでの一時間で必死に覚えようとしましたが、焦りと緊張で頭に入りませんでした。
法令改正は、通信講座や予備校では必ず押さえるポイントです。独学ならではの失敗ですね。
まとめ
50代で宅建に合格することは決して不可能ではありません。
年齢や忙しさに負けず、通信講座や予備校、独学など自分にあった勉強法を選び、日々の努力を積み重ねることで合格への道が開けます。
実際に50代で宅建を取得した経験からも、強い意志をもち地道な勉強を続ければ合格できるとわかりました。
宅建に合格すれば新しい景色が見えるはずです。
この記事が宅建合格を目指している50代の方の参考になれば幸いです。