「議会対応って何をしたらいいの?」
「趣旨確認って何?」
「答弁書はどう書けばいいの?」
議会対応は経験しないとわからないことがたくさんあります。
研修もなく、上司や先輩のやり方を見て覚えることが多いですね。
この記事では、
- 議会対応の機会がなかった中堅・ベテラン職員
- 議会に縁のない若手職員
- 公務員を目指している人
に向けて、元県庁職員が、「議会対応の基本」「議会対応のコツ」をお伝えします。
法令や根拠といった話ではなく、実務を重視した「議会を乗り切るノウハウ」をわかりやすく解説します。
公務員を目指している人には、「公務員にこんな仕事があるんだ!」と感じていただけたらと思います。
実際に僕が経験した県議会を想定していますので、この記事では知事や副知事と表現しています。市町村議会の場合は、市長や町村長に置き換えて読んでください。
なお、事業課の課長補佐や主査の立場で書いていますので、その前提でお読みください。
この記事を書いた人
- 大学卒業後、都市計画コンサルタントへ就職
- 2年後、地方公務員(県庁、建築職)に転職
- 26年間、公務員として勤務し、51歳で退職(課長補佐として議会対応を経験)
- 現在は、建築関係の民間企業へ転職
そもそも議会って何?
公務員の仕事をしていると、「議会」という言葉は当たり前のように飛び交いますが、おさらいの意味で簡単に整理します。
- 議会の役割
- 議会のメンバー
- 本会議の仕組み
- 委員会の種類と機能
- 本会議と委員会 どう違う?
議会の役割
議会は、「行政(知事をトップとする公務員)が政策や事業をきちんと進めているか」をチェックする役割を担っています。
具体的には、知事が以下のような項目を議会へ提案し、県議会議員が審議して多数決でその可否を決めます。
- 予算
- 条例の制定、改廃
- 金額の大きな契約の締結 など
議会のメンバー
議会は、議員と行政が出席して質問と答弁を行います。
「選挙で選ばれた議員」が施策や事業について質問し、行政は「選挙で選ばれた知事」と「公務員である副知事や部局長、課長」が答弁するという構図です。
議会には本会議と委員会があり、それぞれ出席者や役割が違います。
知事や部長など、行政側の説明者として議会に出席する人を「理事者」と呼びます。よく聞く言葉ですので、覚えておいて損はないでしょう。
本会議の仕組み
議案などの重要事項はすべて本会議で可否が決定されます。
議員は全員出席しますが、行政は出席者が限定されていて、知事、副知事、部局長など幹部職員の一部が出席します。行政側の出席者は下図のとおりです。
本会議は議場で開催されますので、全議員と知事、副知事、全部局長が議論の内容を聞いていることが特徴です。
委員会の種類と機能
たくさんの議案を専門的かつ効率的に審議するために、委員会が設置されます。
委員会には「常任委員会」と「特別委員会」があり、議員はいずれかの委員会に所属します。
委員会は議場ではなく委員会室(広い会議室のような部屋)で行われ、出席者は委員会に所属している議員と担当部局の幹部職員だけです。
行政側の出席者は下図のとおりです。
本会議と比べると人数は増えますが、職階の下の人が対応することになります。
ちなみに、委員会に関する質疑では議員は「委員」と呼ばれます。
常任委員会とは
常任委員会とは、「常時」設置されている委員会のことです。
兵庫県議会と大阪府議会では、以下の委員会があります。
他の都道府県でも名称の違いはありますが、同じような委員会が設置されています。
特別委員会とは
特別な内容について調査するために、必要に応じて「特別委員会」が設けられます。
代表的なものに、予算が実際にどのように使われたのかを審議する「決算特別委員会」があります。
本会議と委員会 どう違う?
本会議は、全議員と知事、副知事、部局長が出席して議場で行われます。
一方、委員会は、委員(その委員に所属している議員)と担当する部局の部長や次長、課長だけが出席して、議場ではなく委員会室で行われます。
両者の大きな違いは、「議会関係者の全員が聞いているか、それとも一部の人だけが聞いているか」という点です。
本会議で取り上げられると、直接の担当部局ではなくても、議論されている内容がわかりますが、委員会で取り上げられても、そうはいきません。
広く皆さんに聞いてほしい議案などは本会議で議論してもらうほうがいいと言われます。
議会の流れ
議会の大まかな流れは以下のとおりです。
政調会からスタートして、代表質問、一般質問、委員会質問を経て採決となります。
議会全般で注意しなければいけないことは、部の総務課が議会対応のとりまとめ役ですので、すべて総務課と連携することです。
議員への接触や部長レクなどは、総務課の指示にもとづいて動きますし、議員へ接触するときも総務課が同席します。
議会を通して大切なことですので、覚えておきましょう。
「部長レク」とは、答弁案や事業などについて部長へ説明する場のことです。「○○レク」は公務員でよく使う言葉で、「課長レク」「室長レク」「知事レク」などがあります。説明する相手の役職を入れて呼んでいます。
政調会
政調会とは、部局の幹部職員が「議案や予算案、部局が策定する計画・取り組んでいる事業」などを会派へ説明する場です。(都道府県によっては呼び方が違う場合があります)
議員の考えや問題意識などが確認できますし、部局の取り組みをアピールできる貴重な機会でもあります。
「会派」とは簡単に言うと政党のことです。議会では「政党」と言わずに「会派」と呼びます。
代表質問
代表質問とは、議案や県の事業について会派(政党)単位で質問するものです。
議員個人の考えというより、会派として重要と考えている取組みにスポットを当てて質問されます。
質問は多岐にわたりますが、例えば、以下のような項目が質問されています。
- 大阪府であれば、万博関連
- 京都府であれば、北陸新幹線延伸計画や総合計画
- 奈良県であれば、世界文化遺産登録
- 公益通報窓口について
都道府県独自の取り組みや、全国的なトピックについて知事や部局の考え方を聞かれるケースが多いですね。
代表質問に対する答弁は、知事、副知事、部局長のいずれかが行います。
誰が答弁するかは会派の考えに従います。
一般質問
一般質問とは、議員個人の立場で質問するものです。
主に議員の選挙区で問題になっていること、いわゆる「地元ネタ」を聞かれることが多いですが、たまに代表質問で深く聞けなかった質問の続きを一般質問で聞くケースもあります。
一般質問に対する答弁も、知事、副知事、部局長のいずれかが行います。
委員会質問
議員は、いくつかある常任委員会の委員になります。どの委員会に所属するかは、年度初めに会派が決めます。
委員会では、代表質問や一般質問で聞きにくい、事業の詳細な内容を質問されることが多いです。
そのための委員会質問と言えます。
委員会質問に対する答弁は、部長、課長のいずれかが行いますが、通常は課長が答弁します。
答弁する側は、時期・金額・規模などの数字データを整理しておきましょう。
採決
議会に提出された議案について、賛成か反対かは議員の多数決で決まります。
これを採決と言います。
可決されると条例案や予算案、工事契約の締結が正式に決定するので、行政としては一安心といったところです。
政調会で議会が幕開け
議会の幕開けとなる政調会について、以下を説明します。
- 政調会までの準備
- 政調会当日の対応
- 政調会後の対応
政調会までの事前準備
政調会には、下図のように部の幹部職員が出席しますので、事業の進捗状況や問題点をあらかじめ説明しておかなければなりません。
部の総務課から、幹部職員への「説明資料の作成」「レク日程」について連絡があるので、これにもとづいて進めます。
政調会当日の対応
政調会には、幹部職員以外は出席できませんが、事業課の課長補佐や主査は政調会後に予定を開けておく必要があります。
議員から、政調会後に事業の説明に来るよう依頼があるかもしれないからです。
政調会が始まると一気に議会モードに突入するので、平常業務はあと回しとなります。
政調会が終わると議会対応が本格化
政調会で部の事業を説明するので、関心のある議員は「この事業をもっと詳しく教えてほしい」となります。
その場合、議員から呼び込みがありますので、事業の概要・進捗状況・今後の方向性などを説明できるように準備しておきましょう。
呼び込みがある場合は、部の総務課から連絡がありますが、連絡がなければ特別の対応はいりません。
もし、議員から事業課へ直接連絡があれば、総務課へ情報共有しておきましょう。
部の総務課が議会対応を仕切っているので、「総務課が知らなかった」では、のちのち大きな問題となる場合があるからです。
代表質問はこうして乗り切る!
議会の最初にある代表質問について解説します。
- 項目提示から代表質問までの流れ
- 項目が提示されたら
- 代表質問の答弁書の作り方
項目提示から代表質問までの流れ
項目提示があってから代表質問までの流れは以下のようになります。
会派から項目の提示があったら、趣旨確認に行って、答弁書を作成します。
会派が答弁書をチェックしOKとなれば、あとは代表質問当日を迎えるだけです。
項目が提示されたら
代表質問の項目は、部の総務課を通して事前に連絡があります。
もし、担当している事業が項目に挙がっている場合は、会派の趣旨確認に行かなければいけません。
趣旨確認とは、主に以下の内容を確認することです。
- なぜ質問しようとしているのか
- どのような視点(切り口)で質問するのか
- 事業に対して、会派は賛成なのか反対なのか
- 答弁者は知事か部局長か
趣旨確認で議員に接触する際には、「事業の進捗状況」と「おおまかな答弁骨子」を用意しておいて、質問と答弁が合致するかを確認します。
その場で、合致させなくても会派の思いや考えを把握できれば、答弁は作れますので大丈夫です。
一番問題なのが、会派の質問趣旨を理解できずに、なんとなく趣旨確認が終わってしまう場合です。
質問の意図がわからないのに、まともな答弁は作れませんよね。部に戻ってから怒られますので、会派の質問趣旨や考え方、賛成・反対のスタンスは必ずおさえましょう。
代表質問の答弁書の作り方
以下のポイントを押さえて答弁書をつくりましょう。
答弁書は部長レクで承認を受ける必要があるため、確定するまでは修正、修正の嵐です。いろんな人が答弁案を見て手を加えるので、修正の時間を考慮して、早め早めの作業を心がけることが大切です。
答弁者が知事か部長かで答弁内容が変わる
知事は政治家であり公約があるので、その視点を意識する必要があります。
公約の中でも特に優先順位の高い施策は、必要性や進捗をアピールできるような答弁にしておきましょう。
部長は公務員なので政治家のような視点は必要ありませんが、部を代表して答えるので、必要性や効果を広くアピールできるような答弁でなければなりません。
答弁は大きな視点で書く
代表質問なので、答弁は大きな視点で書く必要があります。
細かい数字や経過は代表質問の答弁に向いていません。それは委員会でやることです。
答弁の冒頭で県の認識や必要性を示し、今後の方向性で締めくくれば答弁らしくなるでしょう。
「議場でみんなが聞いている」ことを意識する
答弁をつくる時は文章を見ながら考えますが、議場では、全議員と知事、副知事、他の部局長は耳でしか聞いていません。
そのため、素晴らしい答弁を作ったとしても、専門用語や難しい言葉を使っていると、何を言っているのかわからなくなります。
「聞いてわかる答弁」を心がけることが大切です。
一般質問の対応
代表質問のあとにあるのが、一般質問です。一般質問の対応は、代表質問とよく似ています。
- 項目提示から一般質問までの流れ
- 項目が提示されたら
- 一般質問の答弁書の作り方
項目提示から一般質問までの流れ
項目提示があってから一般質問までは以下のような流れになります。
議員の一般質問の項目がわかれば、趣旨を具体的に確認し答弁書を作成します。代表質問と同じですね。
議員が答弁書をチェックしてOKとなれば、あとは一般質問当日を迎えるのみです。
項目が提示されたら
一般質問の項目は、部の総務課を通して事前に連絡があります。
もし、担当している事業が項目に挙がった場合は、議員へ趣旨確認に行かなければなりません。
趣旨確認とは、以下を確認することです。代表質問と同じですね。
- なぜ質問しようとしているのか(地元から話があったのか)
- どのような視点(切り口)で質問するのか
- その事業に対して、議員は賛成なのか反対なのか
- 答弁者は知事か部局長か
趣旨確認で議員に接触する際には、「事業の進捗状況」と「おおまかな答弁骨子」を用意しておくのは、代表質問と同じです。
一般質問の場合、議員が地元の人たちから強く要望されている内容もあるので、議員の質問の意図・思いは的確に把握するようにしましょう。
一般質問の答弁書の作り方
一般質問は、議場で全議員と知事、副知事、全部局長が聞いているので、答弁書の作り方は「代表質問の答弁書の作り方」と同じです。
代表質問より少し詳しい答弁をするのは構いませんが、数字データを並べるような詳しすぎる答弁は、聞いていてよくわからないので避けましょう。
議場でのやり取りですので、大きな視点で答えることが大切です。
委員会質問を乗り切れば、ゴールが見える!
一般質問が終われば、あとは委員会質問を乗り切るだけです!
委員会質問は、代表質問や一般質問と違って、課長答弁がメインになります。
そのため、答弁案は部長レクまでやりますが、「課長がOKならこの答弁でいいじゃない!」となるケースもあるため、少しだけ気が楽です。
項目提示から委員会質問までの流れ
項目提示があってから委員会質問までは以下のような流れになります。
代表質問や一般質問とほぼ同じです。
委員会質問の項目がわかれば、趣旨を具体的に確認し答弁書を作成します。代表質問や一般質問と同じですね。
議員が答弁書をチェックしてOKとなれば、あとは委員会質問を迎えるのみです。
質問項目の趣旨確認
委員会では、代表質問や一般質問と違い、事業の経過や進捗状況、数字データなど細かい内容を答弁します。
そのため、趣旨確認に行くときは、事業に関係する数字データを用意しておくといいでしょう。
気をつけたいのは、議員に伝えていいデータかどうかです。
公表しているデータなら問題ありませんが、公表していないデータの場合は、あとで問題になることもあるので、前もって課長などと相談しておけば安心ですね。
委員会質問の答弁書の作り方
委員会質問は1つの項目に対して、2~3問の質問に答える形で行われるケースが多いです。
議員が質問を十分に検討している場合はそれを尊重しますが、議員の質問がまとまっていない場合は、質問と答弁を提案するのもありでしょう。
議員の思いに合致していれば、そのまま進められますし、場合によっては少し手を加えるだけで議員の考えに近づけることができます。
いずれにしても、委員会では詳細な答弁が必要になりますので、代表質問や一般質問とは違う視点で作るようにしましょう。
抑えておきたい議会対応の注意点
議会対応の注意点はたくさんありますが、僕の経験上、特に押さえておきたいことを紹介します。
- 議員と接触するときの注意点
- 答弁書を作るときの注意点
- 質問されたくないときの戦略
議員と接触するときの注意点
事業課だけで接触しない
議員と接触する時は、事業課だけで接触するのは厳禁です。
代表質問と一般質問の趣旨確認は、議会事務局の担当者が仕切りますし、部の総務課の担当者も同席します。
事業課だけで接触して問題が起きれば、総務課を巻き込んでの大騒動となりますので、必ず部の総務課と一緒に行くようにしましょう。
そのため、資料の部数は以下の人たちの分を用意してください。
- 議員用
- 議会事務局の担当者用
- 部の総務課の担当者用
- 事業課用
接触できる時間は限られている
趣旨確認などで議員と接触する際には、充分な時間が確保されるケースはほとんどありません。
趣旨確認の時間でさえ15分、長くて30分くらいでしょう。
短時間で、議員や会派の考えを聞き、「何を課題と思っているのか」「賛成・反対どちらの立場か」などを的確に把握する必要があります。
「聞き洩らしたので、もう一度接触を・・・」なんてことはありえません。
説明する内容、絶対に聞く内容をメモしておいて、漏れのないように簡潔に説明できるように準備しておきましょう。
答弁書を作る時の注意点
答弁の作成には時間がかかります。効率よく作成するために以下の点に注意しましょう。
答弁だけではなく、議員の質問も考える
議員から質問項目の提示がありますが、質問の内容まできちんと文章にして提示されることはめったにありません。
趣旨確認で議員の考えを把握しているので、その考えにあうように議員の質問と答弁を作ります。
議員が、一言一句こちらが考えたとおりに質問するかわかりませんが、「この質問に対して、こう答える」ということを部長まで確認を取る必要があるのです。
もし、議員が質問文をきちんと作って提示してきた場合でも、書かれていることが正しいか確認する必要があります。
答弁の基本原則!
議会を何回か経験すると、答弁書には一定の書き方があることがわかってきます。
具体的には、以下の点を順番に書けば答弁書ができあがります。
- 質問に対する県の認識(〇〇は重要と考えています)
- これまでの県の取り組み(平成〇年度から△△を実施し、令和◎年度には~~を行い~)
- 事業の効果(~~一定の効果があると考えています)
- 地域や住民との関係(〇〇にも丁寧に説明し協力をいただきながら・・・)
- 今後の事業の方向性(さらに発展させてまいりたい)
代表質問や一般質問ではこれらの要素を大きな視点で書き、委員会質問では数字などの根拠データを盛り込めば、答弁書が完成します。
「答弁書は修正があるもの」と割り切る
議員に提示した答弁書に修正があるとマズいですが、部内で考えている段階で修正が出るのは当たり前です。気にすることはありません。
答弁書は事業課の課長補佐や主査が作ることが多いでしょう。
答弁案を作ったあと、課長、室長、副理事、次長、総務課長、総務課担当者・・・がチェックして、OKなら部長へ説明し、部長がOKとなって、やっと議員へ提示できる状態になります。
文章の言い回しや言葉づかいなどは、幹部職員の好みもあります。
課長補佐や主査が時間をかけて作っても、いろんな人からいろんな修正が入るので、60点の案ができたら、順番に課長や室長に説明しましょう。
部長に説明する前に85点くらいにしておけば、なんとかなるものです。
修正指示には要注意
答弁案にはいろんな人から修正指示が入りますが、「総務課の担当者」の修正指示には要注意です。
理由は、総務課担当者が思いつきで言っている場合があるからです。
課長や室長以上の人たちは議会経験も豊富なため、修正指示は的確なことが多いですが、総務課担当者は議会に慣れていない人も多く、ピント外れの指示を言ってくる場合もあります。
議会対応では、やることが多く締切までの時間が短いものばかりですので、余計な作業をする時間はありません。総務課の担当者の修正指示には注意しましょう。
質問されたくないときの戦略
議員の質問項目の中には、できれば質問してほしくない項目もあります。
- 事業が思うように進んでいない
- 取り組んでいるものの、考え方や方向性がまだ決まっていない
- 住民との関係で、経過や内容を議会で答弁するのは避けたい
といった場合です。
このような場合でも、議員に「質問を取りやめてもらえませんか」と直接訴えるのは厳禁です。当たり前ですね。
では、どうすればいいか?以下のことをやってみましょう。
- 趣旨確認の前に、部内や課内で「答弁できる内容が少ないから、議員に質問を再考してもらう」ことを意思決定しておく
- 趣旨確認のときに、経過や現時点の到達点、住民との関係などを丁寧に説明する
- 今の議会で質問してもらっても、答弁できる内容が少ないので、次の議会での答弁を提案する
- 今の議会で質問する場合は、別の切り口から質問してもらうことを提案する
これらを伝えたうえで、あとは議員の判断に従いましょう。行政が決められるものではありません。
議員の貴重な質問時間を中途半端な答弁に費やすのはもったいないので、議員と相談するのは決して悪いことではありません。
まとめ
「住民の皆さんに役立つ仕事がしたい」と思って公務員を目指した人にとって、議会対応は「誰のための仕事?」と疑問に感じることもあるでしょう。
しかし、議会対応は住民の代表である議員と行政をつなぐ重要な役割を担っています。行政をより良い方向へ導く大切な仕事の一つです。
この記事で議会対応の基本をわかっていただけたら幸いです。
一方で、議会対応は心身ともに大きなストレスを伴うことも事実です。向き不向きも当然あります。
もし体調を崩しそうになったり、限界を感じたりしたら、無理する必要はありません。
僕自身、議会対応の業務に深く関わるうちに、単にストレスが大きいからではなく、自分のモチベーションと仕事の目的にズレを感じ、最終的に転職を決意しました。
自分の健康と幸せを最優先に、転職も選択肢の一つとして考えてみましょう。
柔軟に考え、自分らしい働き方を大切にしてください。