公務員の仕事

公務員の仕事がつまらないと感じる10個の理由【元公務員が語る】

2023年4月25日

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「公務員は安定してるけど、仕事はつまらなそう」

「公務員より民間の人のほうがイキイキしているように見える」

とよく言われますが、実際どうなのでしょうか?

民間と公務員の両方を経験した筆者が経験をふまえてお答えします。

この記事を読んでわかること

  • 公務員の仕事がつまらない理由
  • 公務員がつまらないと悩んでいる公務員がやるべきこと

この記事を書いている人

  • 大学卒業後に、都市計画コンサルタントへ就職
  • 2年後、建築職として地方公務員(県庁)へ転職
  • 26年勤めた県庁を退職して、現在フリーランスとして活動

公務員の仕事がつまらない10個の理由

ズバリ、公務員の仕事がつまらない理由は以下です。
たくさんあるように見えますが、正直に書くとこれくらいはあります。

  1. 前例主義・ルーチンワーク
  2. 年功序列
  3. 上の人間に恥をかかせまいとする体質
  4. イエスマンばかり
  5. 決裁関与者が多すぎて時間がかかる
  6. 細かいことにこだわりすぎる
  7. 想定QAを作りたがる
  8. 議員対応
  9. 仕事できない職員の尻ぬぐい
  10. 意味不明な人事評価

1つずつ解説します。

1.前例主義・ルーチンワーク

公務員の仕事は前例主義やルーチンワークが多いので、新しいことにチャレンジしたい人にとってはとても退屈です。

というのも、前例主義は担当者や年度によって取扱いに差が生まれないようにするためには大切なやり方ですが、「ほとんど考えることがない」「誰でもできる仕事」と感じるようになってしまうからです。

さらに、ルーチンワークは同じことを繰り返す作業なので、考えるのが苦手な人には良いのかもしれませんが、淡々と進める業務となり多くの人にとっておもしろくないと言えるでしょう。

2.年功序列

公務員はバリバリの年功序列なので、頑張っても給料は上がりません。給料を上げるには年を取ることです。

その結果、「頑張っても頑張らなくても同じ」と考えるようになりますし、特に頑張っている若手職員にとっては、モチベーションがさがる大きな要因です。

3.上の人間に恥をかかせまいとする体質

公務員の世界には、下図のような役職のピラミッドがあります。

自治体によって名称や順番が違うところがあるかもしれません。

「失敗してもいい。俺が責任を取るから思い切ってやってくれ」という上司はいません。逆に「俺に恥をかかせるな」と言わんばかりの上司が圧倒的に多いです。

そのため、事あるごとに幹部職員(だいたい課長以上の役職)に対して、進捗状況や議員との接触経過など重要事項を報告する会議があります。

50歳くらいになると、幹部職員への報告ばかりになって肝心の住民目線で考える機会が極端に減ります。「誰のために仕事しているの?」という気持ちが強くなりモチベーションが下がります。

4.イエスマンばかり

上司と反対の意見を言う部下はいません
部長が「黒」と言えば、その下の役職の人間は「黒がいいですね」と同調します。
反対意見を言って失敗した時のことを考えると「部長が黒っていうなら黒でいいじゃないの」となってしまうようです。

本来、組織には反対意見を言う人間がいるからこそ、組織が正常な方向へ進むと思います。
僕がいた自治体は、もしかしたら腐敗している組織だったのかもしれません。

5.決裁関与者が多すぎて時間がかかる

公務員の役職は上図のようになっていて、たくさんの人間が関与します。

組織の意思決定をするときに決裁を取るのですが、例えば、主事が案を作って室長まで決裁をとる場合、最低でも5~6人の確認が必要です。
部長までの決裁となるとさらに多くの人の確認が必要になります。

決裁の途中で誰かが不在なら、そこで待ち状態となります。

部や課をまたぐ案件だとさらに関係者は増え、時間だけが過ぎていきます。

6.細かいことにこだわりすぎる

通知文書を発出したり、幹部職員への説明資料を作ったりする時に、体裁ににこだわりすぎる人が多いです。文頭の位置、文字サイズ、行間、余白の大きさなど。

内容を指摘されるなら納得しますが、体裁や見た目は人それぞれ好みがあるので、案を作っている側からすると「どうでもいいわ」と思ってしまいますね。

7.想定QAを作りたがる

想定QAというのは、議会や重要な会議で幹部職員が質問された時に、こう答えようと用意しておく想定問答集のこと。

幹部職員に恥をかかせないように、課長補佐や主査が案を作り課長や室長などの決裁をとって準備しておきます。

えらい人が答える内容のことなので、決裁の時に修正が入るのは当たり前で、その分、想定QAを作り終えるまでとても時間がかかります。

公務員は、想定QAが大好き。
聞かれもしないことに「ああでもない。こうでもない」と議論して貴重な時間が失われていきます

8.議員対応

議員から問合せがあれば、最優先で対応する必要があります。

理由は、議員との関係が悪化すると幹部職員が困るからです。

仕事やプライベートの予定を変更し、場合によっては部長まで状況を説明して方向性を共有しておくなど万全の準備をして、課長補佐クラスが議員へ接触することになります。

急な対応、無理な要請、予定どおりに進んでいない理由など痛いところを突かれることが多く、ストレスもかかる業務です。

9.仕事できない職員の尻ぬぐい

公務員は簡単にクビにならないので、仕事ができない職員は一定数います

その場合、周りの人がカバーしないと仕事が回りません。

そのような人が一人でもいると、

  • 周りの人に不平不満がたまる
  • 若い職員にしわ寄せが行くと、「仕事しない人のほうが給料が高いのに、割りに合わない」となります。実際、このことが原因で辞めていった優秀な若手職員がいました。
  • 人事権のある課長に「仕事できない人は異動させてほしい」と直訴したことがありますが、「まあまあ、そんなこと言わないで、みんなで対策を考えよう」と意味不明な回答でした。
  • 仕事できない人が守られて、真面目に仕事する人が損をする。これが現実です。

10.意味不明な人事評価

公務員にも人事評価制度を取り入れている自治体があります。

僕がいた自治体には人事評価制度があって、僕自身、評価される側でもあり、評価する側でもありました。

しかし、この人事評価制度は「どれだけ適切に評価できているのか疑問」というのが実感です。

というのも、僕は課長補佐という役職で、一番近くで部下の仕事振りを見ている立場として一次評価をします。
その評価とまったく逆の評価を僕より上の人が二次評価としてつけることがあります。
さらに、部全体で相対評価がなされ順番がついていくのですが、「なんで、あの子がこんなに良い評価なの?」とかその逆のこともよくありました。

「本当に仕事ができる人」と「出世する人」が違うことも公務員特有なのかもしれません。

仕事がつまらないと悩んでいる公務員がやるべきこと

つまらないと悩んだり、文句を言っているだけでは何も変わりません。明日も明後日も1年後も5年後も同じように文句を言っているはずです。

じゃ、何をしたらいいのか?

まずは、以下をおススメします。

  • 新しいことを勉強してみる
  • どうしても公務員が合わないなら、転職活動してみるのもあり

新しいことを勉強してみる

新しい何かを勉強してみることをおススメします。
大げさな話ではありません。ビジネス本で「仕事の進め方」や「すぐやるコツ」などを軽く勉強する程度でも良いですし、語学や何か資格をとるための勉強をしてもいいでしょう。

というのも、新しいことを勉強して仕事の悩みが解決できたり、気分転換になったり、新しい目標ができたりすることで、気持ちがスッキリすることがあるからです。

つまらないと思い続けて働くより、気持ちをスッキリさせて仕事するほうが良いに決まっていますよね。

どうしても公務員が合わないなら、転職活動してみるのもあり

どうしても公務員が合わずモヤモヤしている場合は、転職活動をスタートしてみるのもいいでしょう。

公務員の外の世界に目を向けることで、新たな自分を発見したり、改めて公務員の良さがわかったりします。

まずは、転職エージェントに登録して情報収集から始めませんか?新しい世界に触れることができると思います。

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