2023年(令和5年)3月31日に、51歳で公務員を退職してから早いもので1年が経ちます。
あっという間の1年でしたが、今は中身のある充実した毎日を過ごしています。
転職して企業に勤めているわけではないので、参考になるところが少ないかもしれませんが、1人の50代公務員の退職後の生活をご覧いただければと思います。
51歳で公務員を退職した理由は、こちらの記事「50代で公務員を退職した理由」で書いていますので、よろしければご覧ください。
この記事を書いている人
- 地方公務員(県庁)として26年勤め、51歳で早期退職しました
- 組織に所属することに疲れたので、現在はフリーランスとして活動しています
- 「好きな場所で好きな時間に働く」という生活スタイルを目指して、ビジネスをイチから勉強中です
退職後の仕事と生活スタイル
退職してからの仕事や生活環境など紹介したいと思います。
仕事
退職してから会社に勤めずに、フリーランスとしてWebライターや自分のブログを書いたりしています。
結果的にそんなに集中してやっていない感じですが、クラウドソーシングで募集されている案件に応募して10数記事書きました。
クラウドソーシングとは、仕事を発注する人と受注する人をインターネット上でマッチングするサービスのことです。
ライター以外にも、動画編集や翻訳、システム開発などいろいろな仕事があります。
ありがたいことに直契約でライターのお仕事をいただき、まだ6記事ほどですが執筆し、今も継続させていただいています。
ライターのサロンに入会し講義などを見て勉強していますが、ライティングのスキルアップをしようと思っている方がたくさんいることにびっくりしています。
「大人になっても日々勉強」
もっと若いときに知っていたら良かったかもしれませんが、「今からでも遅くはない」と自分に言い聞かせています!
家族
子ども2人が独立して家を離れているので、妻とコーギー1匹の生活です。
日中は妻が仕事に出かけていてコーギーと過ごしていますが、コーギーは妻が帰ってくるまでずっと寝ているため、1人で過ごしているのと変わりません。
ときどき旅行を兼ねて、子どもたちのところへ遊びに行くのが楽しみの1つになっています。
ストレスゼロ
退職後は本当にストレスゼロで過ごしています。
公務員のときは、幹部レクや意味のない会議、クレーマー対応などで無駄な時間を費やすことも多く、ストレスが溜まっていました。(必要な幹部レクや会議はもちろん大切なお仕事です)
元の職場の人と話す機会がありますが、同年代のほとんどの人が極度のストレスを抱え、「辞めたい!辞めたい!」と嘆いています。
まじめな人ほどその傾向が強いようですね。
辞めたければ辞めるのが一番いいのでしょうが、学費やローンなど辞められない事情があるのかと。
でも、ストレスは本当に体に悪いので、ストレスを抱えすぎている人は無理なさらないようにお過ごしください。
退職して今思うこと
仕事に追われ、ストレスにつぶされそうになりながら過ごしていた公務員から解放され、マイペースで好きなことができる今、改めて思うことは、
- 価値観が変わった
- 自分のやりたいことにすべての時間を使える幸せ
- 「何でも経験することが大切」と思うように
- 自己管理は思っていた以上にむずかしい
ということです。
価値観が変わった
民間と公務員とで28年間働いてきて、40代前半までは「お金を稼ぐためには、自分のやりたいことや時間を犠牲にする」ことは当たり前と思っていました。
「給料をもらう」=「仕事優先」+「仕事のストレス」+「自分のことは後回し」みたいな感覚です。
私は仕事人間ではありませんでしたが、それでも、仕事を優先して物事を考えることは多かったと思います。
それが、40代後半くらいから急に「自分のために時間を使うことが大切」と思うようになり、実際に辞めてみて、その思いはさらに強くなっています。
40代後半から50代で学費や住宅ローンの終わりが見通せるようになると、価値観とか考え方が変わり、自分らしい生き方にスポットを当てやすくなるのかなと思います。
自分のやりたいことにすべての時間を使える幸せ
- ご飯の買い物に行く
- 洗車に行く
- 自宅を出て暮らしている子どもたちに宅急便を送る
- 旅行に行く
- Webライターをやってみる
些細なことですが、自分や家族のために費やしている時間に無駄は1秒もありません。
「いやいや、Webライター以外は公務員をやりながらできるでしょう!」と思われかもしれません。実際そうでしょう。
しかし、公務員時代は、
- 作った資料に対して、どうでもいい修正を言われたり(修正する意味ある?)
- 「締切りは明日ね」と一方的に指示されたり(急すぎるやろ!)
- 組織改編で仕事量が倍に増えたり(1人で抱えられる量と違うだろ!)
- クレーマーの対応をしたり(話が通じない!)
などがあって、「あやつり人形」のようでしたから、仕事以外の時間は疲弊して何もする気がおこりません。
ですので、自分のやりたいことにすべての時間を使えることは本当にありがたいと感じます。
「何でも経験することが大切」と思うように
公務員の仕事では、「あれはダメ」「これもダメ」「余計なことはするな」という風潮で、良かれと思ってやったことでも煙たがられるときもあります。
もちろん、株や不動産などの決められた副業以外は禁止です。
そのせいかどうかはわかりませんが、「何でもやってみる、経験することが大切!」と思うようになりました。
今さらですが、「経験することで本当のたいへんさや楽しみがわかるようになる」と改めて思います。
自己管理は思っていた以上にむずかしい
すべての時間を自分のために使える状況ですが、自己管理は想像以上にむずかしいです。
自分で言うのも何ですが、私はどちらかというとダラダラしないタイプだと思っていました。
ですので、決めたことは計画どおりやれると思っていたのですが、ついついテレビやスマホを見過ぎてしまい予定どおり進まないことが多々あります。
会社勤めなら時間が決められることが多いので、ある程度大丈夫かもしれませんが、フリーランスなら自分を厳しく律することが必要だと感じています。
1年の振り返りとこれから
改めて退職してからの1年を振り返りつつ、これからのことを書きたいと思います。
- クラウドソーシングでの仕事を経験
- 宅建(宅地建物取引士)を取得
- 確定申告を初めて経験
- たくさんの旅行
- 令和6年4月からは会社勤め
クラウドソーシングでの仕事を経験
「好きなときに好きな場所で働きたい」という思いが強く、Webライターの仕事をクラウドソーシングで受注しました。
人と対面せずにテキストコミュニケーションだけで仕事し、成果品を納品して報酬をいただくというこれまで経験したことのないものでした。
単価が安かったり、怪しいクライアントに注意が必要だったりとデメリットはありますが、時間や場所に縛られずに働く方法の1つとして魅力的と感じています。
宅建(宅地建物取引士)を取得
退職して時間ができたこともあり、何か資格を取ろうと思い宅建の勉強をしました。
もともと建築を勉強していたので、少しは有利な部分はあったかもしれません。
宅建に限らず資格のことで改めて考えるようになったのは、
むずかしい資格をとるのがすごいことではなく、資格を取ろうと思う動機やきっかけが大切
ということです。
若いころは、「むずかしい資格を取ることがすごいことで、意味がある」と思っていましたが、今は「そんなことじゃない」と思うようになりました。
理由は、
- どんな資格も取るために勉強する。
- 勉強のために参考書を買ったり時間を費やしたり。
- 家族とか大切な人と過ごす時間を削って勉強する。
それだけで十分素晴らしいことだと思うようになりました。歳のせいかもしれませんね。
確定申告を初めて経験
退職してから会社に勤めていない場合は年末調整がされないので、確定申告することで納めた税金が還付される場合があります。
私は3月に退職したので、1月から3月の給料が入り、その間、源泉徴収されていました。
この源泉徴収は1年働く前提の額なので、わずか3か月の給料だけだと納めすぎとなり確定申告すれば還付される場合があるというものです。
私は会計ソフトの「弥生」を使って白色申告しました。(白色申告は無料で使えます)
給料収入や退職金は退職時にもらった源泉徴収票をもとに入力し、ライター関係の収入は事業所得として収入と経費を入力すれば簡単に申告できました。
退職金については、辞めるときに「退職所得の受給に関する申告書」を職場に提出していたので、確定申告でいくらか戻ってくることはありません。
確定申告は公務員時代には縁がなかったので、「個人事業主なんだ!」という実感が湧いてきた一瞬でもありました。
たくさんの旅行
時間に縛られることがなくなったので、妻と2人でよく旅行に出かけました。
1年間で、北海道3回、九州4回、山形県、長野県、岐阜県、兵庫県、ふもとっぱらキャンプ場にも行きました。
公務員時代は休暇は取れますが、ある程度の年齢になると連続した休暇は取りにくくなります。
50歳になってからは1週間連続して休むことはできなかったですね。
議会の準備期間や開会中はもちろん、それ以外のときでも幹部レクや議員対応、決裁処理などがあって休みにくくなるのです。
1年でこれだけ旅行に行けたことが、公務員を辞めて一番良かったことかもしれません。
これからもどんどん旅行に出かけたいと思います。
令和6年4月からは会社勤め
1年間フリーランスとして過ごしてきましたが、4月から会社に勤めることになりました。
大学卒業後の2年間は都市計画コンサルタントで働いていたので、民間企業で働くのは実に27年ぶりです。
民間企業の決断力の早さ、フットワークの軽さについていけるか心配ですが、頑張ろうと思います。
公務員と違って副業ができるので、空いた時間にWebライターなど自分のやりたいことを続けていきたいとも思っています。
まとめ
公務員を退職してから、自分の人生を自分の足で歩いている実感が強くなりました。
公務員時代は、
「あなたはこの部署に行きなさい(定期異動)」
「あなたの仕事はこれです(やりたいかどうかは別)」
「○○はダメ。△△に変えなさい(ダメ上司でも、その指示命令が絶対)」
といったように、自分の裁量で決められることはありません。
若いころはそれでも良かったのですが、だんだんと仕事量が増え、責任も増え、かと言って決定権はない。
自分の思うように進められない中でストレスが溜まり「あやつり人形」のような状態に陥りました。
今は、自分のやりたいことを好きなだけできるようになり、やること・やらないことはすべて自分の責任で決められる環境。
50歳を過ぎて公務員を辞める決断をして本当に良かったと思います。
「仕事辞めていいよ」「好きなことやったらいいよ」と言ってくれた妻と子どもたちに感謝です!
「始めるのに遅すぎることはない」
「(いくら歳をとっても)やってみようと思った時が一番若い時。さあ始めよう!」
をモットーにこれからも頑張っていこうと思います。
「退職直前の仕事内容」や「早期退職した理由」は、こちらの記事「50代で公務員を早期退職した理由」に書いていますので、よろしければご覧ください。
「公務員からの転職」や「公務員の資産形成」などについて、以下のサイトで詳しく紹介されていますので、ぜひ参考にしてください。