公務員の仕事

公務員の役職(階級)はこんなに複雑!【元公務員が解説】

2023年6月22日

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役職

「公務員の役職はたくさんあってわかりにくい」
「肩書を教えてもらったけど、誰が上司で誰が部下?」
「仕事していくうえでキーパーソンは誰?」

と思ったことはありませんか?

この記事では以下について解説しています。

  • 地方公務員の役職一覧と順番(上下関係)
  • 役職に就く年齢の目安

この記事を書いている人

  • 建築職として26年間、県庁で勤務しました
  • 耐震、景観、公共建築の設計、公営住宅など建築に関わる部署のほか、総務課や財政課にも所属したことがあります
  • 2023年3月に51歳で早期退職し、現在はフリーランスとして活動しています

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地方公務員の役職と順番(上下関係)は?

地方公務員(都道府県庁)の一般的な役職と順番(上下関係)は下図のとおりです。
ただし、自治体によって呼び方や順番が逆になるケースもあるのでご注意ください。

1.技師・主事

公務員はここからスタートで、一般的に「担当者」と呼ばれます。
「主事」は事務職の人、「技師」は技術職の人を言います。
建築確認申請をチェックする「建築主事」という人もいますが、その人のことではありません。

2.副主査・主任(30歳前後~)

指定の研修を受け年数が経てば、昇格試験を受けることなく副主査や主任となります。
仕事の内容は主事や技師と大きく変わりませんが、「経験のある担当者」と認識されます。 

3.総括主査・主査(35歳~)

一定の年齢になって主査級試験に合格すれば「主査」になります。
「総括主査」と「主査」の2つがあり、「総括主査」には「主査」を取りまとめる役目があるので、少しだけ偉い感じはしますが、大きな差はありません。

これまでの「担当者」という扱いではなくなり、任された業務をきちんと進めていく責任が出てきます。

ちなみに、主査級試験がない職種もありますが、その場合、経験年数や実績、能力などが総合的に判断されて主査になります。

4.課長補佐・課長代理(45歳~)

主査としての年数や実績、能力が認められれば「課長補佐」となります。グループ制の職場では「グループ長」と呼ばれることもあります。

課長補佐の主な仕事は以下のようなものです。
僕がいた県庁では、「最もハードな役職が課長補佐」と言われていました。

  • グループ内の仕事の進捗管理、仕事の割振り
  • グループ員が作った資料の確認
  • 文書の決裁(決裁権者になることが多いです)
  • グループ員の出張や残業の管理
  • 議員やマスコミからの問合せ対応
  • 幹部職員への説明
  • グループ員の人事評価

課長補佐から管理職となる自治体もあるようですが、参事や主幹以上を管理職とする自治体もあります。

5.参事・主幹(47歳~)

課長補佐を数年務めた後、参事や主幹になります。
いきなり課長になるのではなく、課長になる前の準備という意味合いが強い印象です。

対外的に参事や主幹というポジションは「中途半端」というイメージがありますが、内部的にも同じで「あの参事、何の仕事してるの?」という声が時々聞こえてきます。

6.課長(50歳~)

課を取りまとめる重要なポジションです。
議会の委員会などで答弁する役割も担いますし、人事の話にも大きくかかわるようになります。
管理職となり、管理職手当が支給されるかわりに残業代は出なくなります。

7.室長(53歳~)

○○室という組織があれば、室長という役職が設けられます。
3つくらいの課が集まって室になるケースが多いので、課長を取りまとめるポジションでもあります。

8.次長・副理事(53歳~)

課や室に属さずに部内全体を俯瞰するかなりのお偉いさんです。
次長は主に「議会関係の責任者」という立場になる自治体が多いようです。

9.監・技監・理事(55歳~)

技術系など専門的な知見が必要であったり、特定の事務を遂行するために置かれる役職です。
部長や局長の次に偉い人なので、若いうちはこのような人たちと接する機会はとても少ないです。

10.部長・局長(58歳~)

部や局のトップであり組織の責任者です。
議場で答弁するなど重要なポジションであり選ばれた人しかなれません。

「部長や局長の言うことは絶対」となるので、言葉の1つ1つに大きな責任が伴います。

役職と年収

ある都道府県において、職員のモデル年収額が示されていました。

役職年収
理事約1,270万円
副理事約1,130万円
参事約1,000万円
課長補佐約790万円
主査約690万円
主事約500万円
大卒初任給約340万円

主査までは年功序列で昇進することができますが、課長補佐より上、特に理事などは限られた人しかなれない役職です。

年収1,000万円を超えるのはハードルが高いと言えます。

まとめ

公務員の役職はたくさんありますが、この記事の一番上のピラミッド図がわかりやすいと思いますので、もう一度確認していただければと思います。

公務員と一緒にお仕事する民間企業の方へ

公務員は早い人で35歳ごろに主査に昇任し、そこからどんどん上がっていきます。
若くして主査や課長補佐になっている人は、出世コースに乗っていて将来有望なので仲良くしておくほうがいいかもしれません。

逆に、50歳を超えても主査の人は、仕事ができなかったり、任せられなかったりする人が多いので、そのつもりで接触するほうがよさそうです。

公務員の方へ

早く昇任している人は将来幹部になる可能性が非常に高いです。
「この子は仕事ができない」とレッテルを貼られてしまうと自分の昇任に影響する可能性もあるので、若いうちから信頼が得られるよう振る舞いましょう。

今後のキャリアが不安な方はご一読ください

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