令和5年3月31日に51歳で公務員を早期退職してから、早いもので8ヶ月が過ぎようとしています。
現在、フリーランスとして活動していますが、「公務員を辞める前にやっておけばよかった」と思うようになったことがあるので、本記事で書いていきたいと思います。
公務員は、実は思った以上にたいへんで、50代になると議会対応など責任の重い仕事が増え、閉鎖的な組織の中で身動きがとりづらく、辞めたいと思っている人が多いのが現状です。
辞めたいと思っている人に少しでも参考なればとの思いで書きますので、お役に立てたら幸いです。
結論から言いますと、公務員を辞める前にやっておくべきたった1つのことは
自分の市場価値を高めておこう
ということです。
この記事を書いた人
- 26年間、地方公務員(建築職)として県庁で勤務
- 51歳のときに早期退職し、現在はフリーランスとして活動
- 辞めて8ヶ月経った今、「あれをやっておけば良かった」と感じることがあります
自分の市場価値を高めておくことが必要な理由
どこで働く場合でも、自分の市場価値を高めることは大切ですが、公務員の場合、特に大切です。
理由は以下の2点。
特に1番目の理由が大きいと考えています。
- 公務員の市場価値は思っている以上に低い
- 転勤や独立開業で有利になる
公務員の市場価値は思っている以上に低い
公務員を辞めて次のステージで仕事をしていくためには、民間市場で通用する「自分の強み」や「セールスポイント」が必要です。
というのも、市場価値が低ければ、「その他大勢」の中に埋もれてしまい、やりたい仕事ができなくなるからです。
実際、公務員の世界で、課長や室長といったえらい役職の方でも、民間市場では「ただの人」です。
「課長が言うから・・・」「室長だから・・」が通用するのは、狭い狭い公務員の世界だけ。
民間市場では、
- 何ができる人なのか
- 何に詳しい人なのか
- この人と仕事すれば何のメリットがあるのか
が見られます。
「何もできない人」「何も知らない人」には当たり前ですが、仕事はやって来ません。
実際、僕が公務員を辞めてから民間の方とお話する機会もあり、公務員の市場価値は予想以上に低いことがわかりました。
厳しい言い方になりますが、「公務員は何もできない」と考える人も少なくありませんでした。
正直、驚きましたし、残念な気持ちにもなりました。
しかし、僕が知らなかっただけで、これが現実です。
民間市場で自分を通用させるために、公務員を辞めるまでに自身の市場価値を高めておきましょう。
転職や独立開業で有利になる
公務員を辞めたあとも何らかの仕事に携わっていく人が大半だと思います。
転職するにしろ独立するにしろ、市場価値の高い人のほうが有利です。
この人を採用しよう!この会社に仕事を任そう!
と思ってもらえるのは、どれだけ価値があるか?で決まると言っても過言ではありません。
公務員として働いている間は日々の業務に追われ、「市場価値」なんて考えなかったかもしませんが、「辞めようかな」と思い始めたら、「市場価値」を意識してみてください。
市場価値を高める方法2選
市場価値を高めることは公務員を辞めてからでもできますが、収入があるときのほうが心に余裕も生まれるので、辞める前にやるのがおすすめです。
市場価値を高めてから転職活動するほうが有利なのは、言わずもがなですね。
市場価値を高めるためにやることは、以下の2つです。
- 資格を取る
- スキルアップする
資格をとる
資格があるだけで、「その分野に詳しい」「能力が備わっている」と周りの人は認識してくれますし、何より自分からアピールする手間が省けます。
さらに、努力して資格を取得するほどの「向上心と意欲が高い人」であると評価してもらえることでしょう。
専門分野のある方は、その分野に関係のある資格が取りやすいかもしれません。
専門分野がなくても、仕事で経験したことや興味のあることは覚えやすいので、チャンレンジしてみる価値があります。
さまざまな資格がありますが、すぐに思いつくだけでも以下のような資格があります。
事務職の人
行政書士、中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(2級、3級)、宅地建物取引士など
建築職の人
建築士(一級、二級)、宅地建物取引士、福祉住環境コーディネーターなど
電気職の人
電気主任技術者(一種、二種、三種)など
民間資格もいいのですが、できれば国家資格のほうが重みみたいなものがあって良いのではないでしょうか。
スキルアップする
スキルアップとは、
- 外国語を習得する
- プログラミングやライティングを勉強する
- パソコン操作を習得する
- プレゼン力を鍛える
といったことをして、自身の能力を向上させることです。
「手に職をつける」感じですね。
スキルアップしていることは人に伝わりづらい側面がありますが、身につけておくと貴重な人材になることができるでしょう。
身に付けたスキルが多いほど、仕事の幅が広がります。
「英語が話せて、ライティングができて、プレゼンがうまい」となれば、日本だけでなく海外の人と仕事をしていくことも可能です。
長年、公務員として働いてきた人の中には、辞めたあと組織に属さずに個人でやっていく人もいるかもしれません。
そういった方は特にスキルアップが欠かせません。
資格をとるのに必要な勉強時間とお金
資格にはさまざまありますが、代表的な以下の資格でどのくらいの時間と費用がかかるのかご紹介します。
宅地建物取引士
必要な勉強時間
勉強時間は建築や不動産関係の仕事をしたことがあるかどうかで勉強時間は変わりますが、一般的に200~300時間と言われています。
1日2時間勉強する場合、週5日として、1週間に10時間。月40時間になります。
この場合、勉強期間は5~7ヶ月となります。
建築職や宅建業法の仕事をした人は、聞きなれた用語があって覚えやすい分野もあるので、少し短く3~5ヶ月程度になるかと思います。
宅建の試験は年1回しかなく、もし不合格だった場合は丸々1年余計にかってしまうので、取りたい場合は早めに準備して一発合格を目指しましょう。
必要なお金
独学か学校を活用するかで費用は変わりますが、独学の場合は20,000円程度と見込んでおけば大丈夫です。
参考書 約3,000円
問題集 約3,000円
受験料 8,200円+振込手数料 約300円
計 約14,500円
模擬試験を受けたり、問題集をもう1冊買ったりすることを想定すると20,000円程度。
学校を活用する場合、学校によっていろいろなコース設定がありますが、5~10万円は必要になります。
講座受講料 5~10万円
受験料 8,200円+振込手数料 約300円
学校を活用する最大のメリットは、効率よく勉強できる点です。
教えてもらうのだから、お金がかかるのは当然です。
高校受験や大学受験のときに塾に通っていたのとまったく同じですね。
独学より学校を活用するほうが、合格に近づきやすいことは間違いないので、一発で合格したい人は学校を選択するのがいいでしょう。
2級ファイナンシャルプランナー(FP)
FPには1級から3級までありますが、実務で必要なのは2級や3級と言われています。
3級は比較的取りやすいため、2級をもっていると資格の重みが出てくる感じです。
必要な勉強時間
2級の資格をとるためには、基本、3級が必要です。
3級の取得に必要な時間は80~150時間と言われています。
1日2時間、週5日勉強すると、2~3か月かかる計算になります。
また、2級取得に必要な時間は150~300時間と言われているので、だいたい3~5ヶ月は見ておいたほうがいいでしょう。
ゼロから始めて2級を取るまでのおおよその勉強時間は5~8ヶ月となります。
3級の試験は2023年度までは年に3回でしたが、2024年度からCBT方式のネット試験に代わり一年を通して好きなタイミングで受けられるようになります。
2級の試験はこれまでと変わらず年3回(5月・9月・1月)ですが、3級から始めて1年で2級まで取れるスケジュールなので、公務員を辞めたい人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
必要なお金
当然ですが、独学か学校を活用するかで費用は変わります。
2級と3級を独学でとる場合は、あわせて25,000円程度で済むでしょう。
【3級FPのみ】
参考書 約1,500円
問題集 約1,500円
受験料 8,000円+振込手数料 約300円
計 約11,300円
学校を活用する場合はいろいろなコースがありますが、3級で2万円程度、2級になると8万円前後のところが多いです。
FP試験は独学で受験する人も多いですが、学校に通えば効率よく勉強できるので、すぐに辞めたい人は、学校を活用することを検討してみてはいかがでしょうか。
【参考】資格試験の日程(2023年度)
主な資格試験の日程は以下のとおりです。
転職活動や辞めるタイミングの参考にしていただけたらと思います。
スキルアップの方法
外国語やプログラミング、ライティングを習得したい場合も、たいていは以下のどちらかになります。
- YouTubeなどを使って独学で勉強する
- スクールを活用して、網羅的に効率よく勉強する
YouTubeなどでインプットはできますが、アウトプットが正しいかわからないので、スクールを活用してアウトプットをチェックしてもらうほうが効率よくスキルアップできます。
まとめ
「公務員を辞めたい」と考え始めると、その思いが止まらなくなってしまうかもしれません。
辞めたい気持ちは痛いほどよくわかりますが、いったん冷静になって、辞めたあとのステージで活動するために、自身の市場価値を高めておきましょう。
転職活動する場合も、市場価値が高い人のほうが有利に進められます。
資格取得やスキルアップして、辞めたあとの毎日を楽しめるように準備しておきましょう。