地方公務員として働くうえで、口には出さないけど出世できるのか気になる人も多いと思います。
出世コースと言われる部署はどこなのか、気になる方はこの記事をチェックしてみてください。
この記事を書いた人
- 建築職として26年間、県庁に勤務
- 耐震・景観・公共施設の設計・公営住宅の改善など建築関係の部署や、部の総務課、財政課にも配属経験あり
- 2023年3月に51歳で早期退職し、1年間はフリーランスとして活動
- 現在は、建築関係の民間企業へ転職
【地方公務員】出世しやすい部署の特徴
公務員の世界では、出世する人が行く部署があります。
ズバリ、以下のような部署です。
- 人、お金の権限を握っている
- 県庁や部全体の施策を把握している
- 県の重点政策を進めている
1つずつ解説します。
人、お金の権限を握っている
人の異動や予算配分を決められる部署は県庁全体をコントロールできます。
もちろん知事の方針に基づいて人や予算を決めるのですが、その大役を任されている部署には出世する人が集まります。
県庁や部全体の施策を把握している
県庁全体の施策を把握している部署は知事との距離が近く、各部局へ指示を出す役割を担っているので、県庁のなかで上位に位置づけられます。
また、各部に「総務課」があり、総務課は部全体の施策や予算を統括し、部長や次長との距離が近いことから、部内で中枢的な役割を果たしています。
県の重点政策を進めている
知事が公約に挙げているような県の重点政策を進めている部署は県庁の中でも花形です。
例えば、オリンピックや万博など国際的なイベントであればなおさらです。
失敗が許されないので優秀な人材が集まります。
【地方公務員】出世するのはこの部署!

以下のような部署にいけば出世コースに乗った可能性がありますし、これらの部署をループすれば出世の可能性はどんどん高くなります。
- 人事課
- 財政課
- 企画系の部署
- 各部局の総務課
- 重点施策の担当課
どの部署も忙しくて責任も重いので、ストレスは溜まります。
出世したい人は行きたい部署ですが、出世を考えていない人は絶対に行きたくない部署でもあります。
人事課
県庁の人の動き(異動)を一手に担っている部署です。
職員のプライベートな情報も扱うので、真面目でコミュニケーション能力がある優秀な人が抜擢されます。
信頼されている人しか行けません。
財政課
県庁全体の予算を仕切っているので、とても大きな力をもっています。
予算要求の時期には、事業課が予算要求資料を提出し、財政課は査定するために事業課へ質問や資料要求をします。
事業課にとっては、予算が認められないことには事業ができないので、財政課への対応は必死です。
そのため、財政課のほうが上、事業課が下という構図になってしまいます。
実際、財政課には出世する人材もいましたが、勘違いしてえらそうにしている人が多かったですね。
企画系の部署
自治体によって違いますが、「政策企画課」「企画室」「企画調整課」といった名称の部署です。
県庁全体の施策を把握していて、部局への指示、部局間の調整を行い、県庁の頭脳として全体を取り仕切ります。
議会における知事の所信表明の原案も作ったりしていて、知事との距離が非常に近い部署です。
各部局の総務課
各部局にある総務課は部内全体の施策を把握していて、課への指示や課レベルの調整を行い部内の施策がスムーズに進むように部内全体をとりまとめます。
部長との距離が近く、部長と各課のパイプ役にもなります。
総務課が機能しなければ、部全体の業務に支障が出るので、優秀な人材が配属されるケースが多いようです。
重点施策の担当課
知事が公約に掲げた事業や強力に推し進めようとする重点事業を担当する部署です。
オリンピックや万博など国際的なイベントはもちろん、知事が公約に掲げた事業は失敗が許されません。
スケジュールが決まっているものも多く、確実に進められる優秀な人材が必要になります。
出世する人の特徴

僕が公務員生活で出会った人で、出世する人には以下の特徴があります。
- 頭の回転が早い
- 会議で必ず発言し的確な意見を言う
- 記憶力が良い
- 態度が大きい
- 人をバカにする
- パワハラの気質があるが、上の人には愛想が良い
いい面もあれば悪い面もありますね。
出世する人はやはり賢いんですね。頭がいいです。
さらに、発言して的確な意見を言うので、周りの人から「この人できる!」と思われやすいのです。
しかし、僕の経験上、態度が大きくて人をバカにしがちな印象があります。
本人はそのつもりはないようですが、周りから見ているとそのような人が多かったですね。
出世する人は、県庁の頭脳と言われる主要な部署をループしどんどん昇任していきます。
特に主査に昇任する時期が早い人は、「将来の部長候補」と言われるほどの出世コースに乗っています。
まとめ
公務員の世界で出世しやすい部署を紹介しました。
出世したい人もいれば出世したくない人もいるので、どの部署が良いのかは人それぞれです。
僕がいた県庁で、財政課に行きたくない人が財政課に異動したことがありました。
その人は、2年間の財政課での勤務を終えて次の部署へ異動が決まった時に、財政課長に向かって「私の2年間を返してください。この2年間で大切なものを失いました」と訴えました。
それを聞いた僕は「花形部署へ行くのがすべてではない。むしろマイナスなこともあるんだ」と痛感したことを覚えています。
花形部署で仕事をするのは、本当にたいへんで残業も山のようにありますし、ストレスも溜まります。
激務に耐えられる人が出世するのかもしれませんが、公務員のみなさん、どうか身体と心を大切にがんばってください。