僕は26年間、地方公務員として県庁で働き51歳で早期退職しました。
退職する最後の年度は、9人の部下がいるグループの長(課長補佐)という立場でした。
50代になると責任のある仕事が増えますが、職員の数が足りず多くの仕事を自分で抱えないと回りません。
議員や幹部職員へ説明する機会が増え、資料作成やレクばかりの毎日でやりがいが感じられなくなりました。
悩んでいる50代の公務員の方の参考になれば!という思いで、僕の体験を書きます。
この記事を書いている人
- 地方公務員(県庁)として26年間勤務
- 理不尽な組織改編などもあって51歳で早期退職
- 退職後1年間、フリーランスとして活動し、今は民間企業に勤務
退職して1年が経過したあとの様子はこちらの記事「51歳で公務員を退職して1年が経過 今の生活スタイルをご紹介」に書いていますので、よろしければご覧ください。
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こちらの記事で詳しく書いていますので、よろしければご覧ください。
51歳で早期退職した理由
僕が早期退職した主な理由は以下のものです。
- 議会や幹部職員の対応がイヤになった
- 理不尽な組織改編
- 人は減り、仕事は増える
- ストレスが多く、メンタルがヤバい
- この先10年、今の環境は改善されない
幹部職員とは、局長、部長、次長、理事、室長、課長などの上層部の職員のことを意味しています。
議会や幹部職員の対応がイヤになった
課長補佐という役職は、議会や幹部職員への対応を率先してやる必要があります。
例えば、議会対応では以下のことをやります。
- 担当している事業のことを議員が知りたい場合、議員の指定する日時に話を聞きに行き、議員の問題意識や思いを確認する
- 持ち帰って、「県の考え方」と「議員への回答案」を意思決定するため、幹部職員への説明資料と議員への回答案を作成する
- 議会で質問になる場合は、答弁案を作成する
- 幹部職員(課長、室長、次長、部長など)へ説明し了解を得て、議員へ回答する
サラッと箇条書きで書きましたが、一つ一つがかなり面倒です。
自分のスケジュールは考慮されずに、議員と接触する日や幹部職員への説明日程が決まります。
議員との接触もたいへんですが、それ以上に幹部職員への説明がたいへんです。
回答案や答弁案、関連資料を用意し順番に説明します。
課長レク、室長レク、次長レク、部長レク。すべて終われば回答案が確定です。
レクというのは「レクチャー」のことで、役職の方へ説明し了解を得る作業です。
幹部職員が一堂に会したときに1回で説明できれば時間短縮できますが、基本1人ずつに説明します。公務員の融通が利かないところですね。
こんなことを毎日やっていると、誰のために仕事しているのかわからなくなります。
結局は幹部職員に恥をかかせまいとやっているもので、こんな仕事をしているのがバカバカしくなってしまいました。
理不尽な組織改編
僕自身、忙しい部署に配属されることが多かったです。
企画系の部署や新設された部署。建築職なのに財政課へ行ったこともありました。
「〇〇さんは、(ババ抜きの)ババばっかり引いてるね」とよく言われたものでした。
早期退職を決定づけたのが「理不尽な組織改編」です。
これまで2つのグループでやっていた業務を統合し1つのグループでやることになり、そのグループ長になったのが僕です。
当時、誰に聞いても「訳のわからない統合」「仕事が回るわけない」という改悪。
業務量が減って統合されたわけではないので、単純に業務量は2倍。
細かい業務も新たに入ってきたので、実質2.4倍ほど。
しかも、それぞれの業務に審議会という組織をかかえていて、審議会委員や幹部職員の調整が通常業務以上にたいへんでした。
審議会とは、行政の取り組み方針などについて意見をもらう諮問機関のことで、審議会の意見は県庁にとって非常に重いものとなります。
所属していた部には、審議会が全部で4つありました。
1つあるだけでもたいへんなのに、そのうちの2つが僕の担当しているもの。
どう考えても、かたよりすぎですよね!
年度が始まったころはマシだったのですが、夏ごろからだんだんと仕事が回らなくなりました。
「この組織改編を決定したやつ出てこい!」「きちんと説明しろ!」と心の中ではブチギレです。
幹部職員へはその思いを丁寧な言葉に変換して、「きちんと説明してほしい。でなければモチベーションが保てない」と訴えましたが、納得できる説明はありませんでした。
「こんな組織改編をする組織になってしまったのか・・・」
ガッカリでした。
人は減り、仕事は増える
どの部署もそうですが、人が足りていません。
年々人は減っていきますが、仕事は増えます。
庁内で言われるのは、「効率よく仕事を進めましょう」というお決まりのセリフ。
「効率よく・・・」という前に、「職員をもっと増やせ!」
もちろん、この訴えも幹部職員の耳には届きません。
「どうなってるの?この会社」「大丈夫?」 大丈夫なわけないですね・・・。
ストレスが多くメンタルがヤバい
課長補佐になると、議員や審議会委員、マスコミや幹部職員の対応など失敗や失礼が許されない業務が増えます。
課長補佐の仕事は主に以下のものです。
- 幹部職員への説明資料を作り、説明の段取りを考える(説明が下手だと、あとで注意が来ます)
- 他の都道府県や庁内の他部署からの照会に対する回答をチェック(決裁権者になることが多いので、間違っていないかきっちり確認する必要があります)
- 「ちょっと相談していいですか?」とグループ員から言われれば相談にのり
- 担当者が住民とのやり取りで相手を怒らせたら、「上を出せ」となり課長補佐の出番
- 予定どおり進んでいない業務があれば「なぜできてないのか?」と幹部職員からの質問攻め(「人が足りてないからです」が通用しない)
理不尽な組織改編のせいで、極度のストレスが襲ってきます。
「メンタルは大丈夫」と思ってやってきた僕ですが、今思うとかなりヤバい状況でした。
この先10年、今の環境は改善されない
- 議会や幹部職員の対応
- 理不尽な組織改編
- 人が減り仕事が増える
- メンタルがヤバい
この環境が今後10年続くことはほぼ確定しているでしょう。疲弊していく未来しか見えません。
このまま働き続けて病んでしまうか?
どうなるかわからない不安要素いっぱいの退職をして大丈夫か?
この2つで悩みました。
一番心配だったのは「病んでしまうのではないか?」ということ。
もし病めば家族に迷惑をかけてしまう。
仕事で病むことほどもったいないことはない。そこまでしてやらなければいけない仕事なんてない!
出した結論!
早期退職しよう!
動かなければ何も変わらない!
動く勇気のある人にだけチャンスは来る!
勇気と覚悟をもって決断!
早期退職した後の仕事

県庁という組織の中で疲弊していたので、転職して組織に所属することは考えていませんでした。
好きな場所で好きな時間に働きたい!
そのスタイルを目指して、YouTubeやサロンで勉強もしました。
個人事業主は正直言って楽しいですね!1年間フリーランスとして活動した率直な感想です。
やりたいこと、働く時間、働く場所を自分で決められるのは、公務員と正反対のことばかりです。
ただ、退職して1年経った頃から、ご縁があって会社勤めをしています。
朝から晩まで週5日ガッツリ働いているのではなく、リモートも取り入れながら勤務時間も短めにして自分の時間を確保しています。
会社員もしながら、半分フリーランスのようなこともしている感じですね。
公務員特有のお堅い組織風土から解き放たれて、のびのびと生活できている感覚があります。
早期退職して後悔していないか?

まったく後悔していません!
ストレスから解放され精神的に楽になりましたし、病気も治りました。
詳しくはこちら【51歳で退職した公務員が語る】辞めて後悔なし!退職後の幸せな生活と後悔しないコツに書いていますので、あわせてご覧ください。
早期退職するときに一番大切なこと

一番大切だと感じたのは、家族の理解です。
僕の場合、最初に奥さんに「辞めようと思っている」と相談しました。
ふだん僕が言わないことなので、奥さんは「よっぽどたいへんなのだな」と理解してくれました。
すごくありがたかったです!
そのあと、子どもたちに伝えました。
子どもは実家を出て就職するタイミングということもあり、「好きなことをやったらいいと思うよ」と言ってくれました。
本当にありがたかったですね!
職場への伝え方
退職を決めても、職場へいつ、どうやって伝えたらいいか迷いますよね。
僕のやったことも含めて解説します。
- 直属の上司へ伝える
- 伝える時期は11月ごろまでがベター
- 僕がやった伝え方
- 引き留めには毅然とした態度で
直属の上司へ伝える
退職を決めたら、直属の上司へ伝えましょう。
主査や技師の場合は課長補佐に、課長補佐の場合は課長にといった具合です。
「お伝えしたいことがあるので、ちょっといいでしょうか?」と場所を変えて伝えるのが良いでしょう。
「〇月〇日で退職する」
年休消化を予定している場合は「△月△日から年休消化をさせていただく」ことを伝えます。
理由は自分から進んで言わなくても大丈夫です。
興味があるなら上司から聞いてきます。
伝える時期は11月ごろまでがベター
なぜ11月ごろまでがベターかと言いますと、次年度の人事異動の検討が始まるのがその時期だからです。
人事異動が大詰めの段階で退職を申し出ると、再度、異動の調整をしなければいけないので、11月ごろまでのほうが迷惑をかけずに済みます。
役職が上になればなるほど、影響が大きくなるので注意しましょう。
ただ、「辞めるのにそこまで配慮しなくてもいいだろう」という考えもあると思います。
辞めることで少なからず迷惑をかけることもあるでしょうから、できれば早めに職場に伝えるようにしましょう。
僕がやった伝え方
僕は10月中ごろに課長へ伝えました。
まず課長席へ行き、「お話があるのでお時間よろしいですか?では、あちらでお願いします」と会議室へ。
課長に「3月31日で退職します」「年休が40日残っているので消化させていただく」ことをはっきりと伝えました。
課長は僕が辞めるとは1ミリも思っていなかったようで、とてもビックリしていましたね。
課長からは、辞める理由などは聞かれず、「えっ!そうなの?」「えっ!」「えっ!」と何回も言われたことを覚えています。
ちなみに、最終年度の大まかな動きは以下のような感じです。
- 新年度が始まった時は「今年度でやめよう」とは思っていませんでした
- ところが、理不尽な組織改編の影響がじわじわと出てきて夏ごろにはメンタルがかなり疲弊。12月まで乗り切れるかどうかという状況に。
- 夏頃、奥さんに退職することを相談し子どもたちにも伝えました
- 10月中ごろに直属の上司である課長へ「年度末に退職すること」「退職前に年休消化すること」を報告
- 課長から「グループ員のモチベーションに影響があるかもしれないので、オープンにするのは待ってほしい」と依頼あり
- 年が明け、1月末の大きなイベントが終わったあとに退職することを庁内でオープンに
- 最終出勤日が2月10日ごろだったので、さすがにみんな「急すぎる」という反応
- 2月上旬から年休消化に入り、3月31日も出勤せずに退職
引き留めには毅然とした態度で
もし引き留めがあった場合、毅然とした態度で断れば大丈夫です。
僕の場合、引き留めはなかったのですが「3月末まで仕事して4月から年休消化したらどうか」と年休の時期を変更してくれないか?という話がありました。
疲弊していて3月末まで仕事できそうになかったので、「すいませんが、無理です」と返事しました。
気をつかう必要はないので、無理なら無理と言いましょう。
お世話になった方へごあいさつ
お世話になった方へはきちんとあいさつに行きましょう。
僕は26年も県庁にいたので、さすがにお世話になった方がたくさんいます。
退職するという情報があまり出回っていないときにあいさつに行くと、「えっ?何言っているの?」「本当に言ってるの?」と信じてもらえない人もいました。
「ビックリした。まさか辞めるとは!たいへんな職場だったんだね」
「残念すぎる。県庁にとって痛すぎる」
と社交辞令とわかっていてもうれしいお言葉をいただきました。
まじめに26年間勤めてきて良かった。そう思えた一瞬でした。
まとめ
職場の課題や理不尽さに押しつぶされそうになったら、勇気を持って新しい道を切り開くことが大切だと感じます。
早期退職は、新たな人生の扉を開くチャンスです。
50代はまだまだこれから何でもできる年齢です!
人生一度きり!後悔のないように頑張りましょう!
僕も頑張ります!